対談

対談シリーズVOL.2
今回はトランスコスモス株式会社 宮崎ユニット長代理 菅野敏幸様です。

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対談

~コミュニケーション力について~
入口となる「面接」が採用成功の可能性を高める
日本経済にも影響する面接の重要性

面接は日本経済にも影響する

宮崎ユニット長代理 菅野敏幸

濱田:様々な雇用形態が一般化し、企業の人材活用のあり方も時代とともに変化が出てきています。「正社員」「契約社員」「派遣社員」「アルバイト・パート」など、いずれにしても会社の戦力として働いてもらうために、その人を採用するか否かを決める基準があると思います。トランスコスモスさんは「正社員」「契約社員」以外に、「派遣社員」も有効に活用されていますよね。

菅野様:アウトソーサーの弊社では要員を充足させてはじめて仕事が成り立ちますから、今は派遣スタッフさんにもお願いしています。将来的には、自社での直接雇用(正社員・契約社員)が一番求められてくると思っています。

濱田:その点は、いつの時代においても企業の課題とすることですね。本日はスタッフを提供する立場と、受け入れる立場で、求める人材を見極め、どのように選考するか。その指針となる「面接」についてお伺いしたいと思っています。まず受け入れる企業として、どういう視点で人材を選んでおられるかを教えていただけますか。

菅野様:まず明るく、接客ができそうなイメージを持っている人であること。きちんとこちらの質問を受け答えができるかどうか、基本的なコミュニケーション能力を重視しています。受け答えの内容はもちろん、例えば、私と話している時に目を見ているかとか所作も大事です。逆にコミュニケーション能力以外の、仕事で使う技術的なスキルのようなものは研修で何とかなると思っています。商品知識を覚えることも、時間さえかければいずれ覚えられますし、PCスキルがなくても習熟は可能です。

濱田:コミュニケーションできるかどうかが一番のポイントであり、大前提だと。そういう意味では、コミュニケーション能力は個人の資質であるとお考えなんですね。

菅野様:実際の仕事はお客様との対話であっても、入社時に同僚や上司とうまくコミュニケーションがとれない人は早期退職される方が多いですね。コミュニケーション能力が大切なのは選考時に限った話ではなく、職場でも求められると思います。

濱田:御社が求めておられる人材は具体的にはどのような人ですか?

菅野様:コミュニケーション能力に加え、状況を自分できちんと把握できる人ですね。弊社はコールセンターなので、お客様も多種多様、しかも課題が全て違います。わずか10分足らずの電話による会話で、課題をくみ取ってベストアンサーを出さなければならないので臨機応変に対応できる能力が必要です。マニュアルはあるものの、どのマニュアルがはまるかを考えなければなりません。電話だからという話ではなく、話している時にお客様が何を望んでおられるのかを考えながら受け答えできる人が理想です。

濱田:ひとことでコミュニケーション能力といっても、業種や世代によっても求められるコミュニケーション能力は違ってくるということですね。必要なコミュニケーション能力は立場によって変化していくもの。その時々で成長を促す教育も必要だと思いますが、実際にコミュニケーション能力を高めることはなかなか容易ではありません。弊社でできる限り、スタッフさんと実際に会って、お話をすることで、色々なコミュニケーション能力を高めていくお手伝いができればと考えています。

面接は企業という球体にある無数の穴にマッチングさせていく作業

代表取締役 濱田 純哉

濱田:私は今までに1万人以上の方々を面接させていただいていることもあって、お取引企業様から、よく採用時の「面接」に一緒に参加してくださいと言われます。しかし、すべてお断りをしています。なぜかというと、組織のこと、会社のことをわかっていないと面接はうまくいかないからです。例えば、会社を色々な無数の穴が開いている球体のようにイメージしていただきますと、「面接」はその穴に求職者の方をマッチングさせていく作業です。まずはコミュニケーションスキルがあるなど、基本的な面を判断して無難な穴を埋めていく。面接官は自社の穴の分析が大切です。「自社が採用したい人材」を、どの穴にマッチングさせたいのかを明確に理解しておく必要があります。

菅野様:私どももいろんなお客様の仕事をしているので、面接は必ず各業務を受け持つメンバーが担当します。お客様から求められていることにきちんと受け答えができていても、タイプが違う人を入れてしまっては職場の雰囲気が変わってしまいますし、そういう人は得てして続かない。人の好き嫌い、タイプは実際に話をしてみないとわかりませんが、2回、3回と面接している人で、ここの事業所とは合わなくても他で合いそうなところがあれば、別の部門の仕事を紹介するようにしています。

濱田:それが大切なんですよ。穴にマッチングさせる作業で組織はより強化されるので、ある意味、リスクも取らなければならない場合もあります。企業という小さな球体がいくつも集まって経済界を構成しますから、マッチングが上手くできている会社や国は浮上します。一方で、マッチングの大切さを理解してない会社や国は衰退していきます。だから面接者や採用に関わる仕事は大きなくくりで考えると、日本経済に関わっている。といっても面接で、相手の全ての適性がわかるわけではないので、その人が自分の組織のなかで活躍してもらえそうな部署はどこか、合致しそうな部署はどこか、ということからまず考える必要があります。完全に合う相手を選ぶのではなく、いかに合致させるか、会社側の努力を含めた選択が組織を強化させ、ひいては日本経済にもつながっていくのだと思います。弊社ではそういった気持ちで面接に取り組んでいますから、個性的でキャラクターが濃い社員が揃っているのだと思います。

定着率の高い人を採用するのではない、定着率は会社があげるもの

菅野様:オンライン上のデータだけで判断するのではなく、スタッフィさんみたいに入口をしっかりと見極めてくれるところの紹介はありがたいですね。

濱田:弊社では既存のスタッフさんが友達をよく紹介してくださるんです。雇用の口コミ効果が高い。そのご縁の機会に応えられるよう、しっかり雇用をつくっていかなければならないと考えています。確かで、安心な、紹介システムを活性化させなければなりません。

菅野様:採用後のケアも大切ですよね。昔はまさに使い捨てのように、採用した人がダメだったら即、切るみたいなことはありましたが、今は出会った人を大切にして、どこまで続けていただけるかが大きいなポイントとなっています。

濱田:お知り合いが入ることで仕事を続けやすくなりますし、いろいろな相談もしやすくなります。またともに切磋琢磨してくれるというメリットもあります。いずれにしろ、理想の人材に育てたいとか、自社で活かしたいという雇い入れる側の熱い気持ちがないと成立しませんし、定着率もあがりません。

菅野様:確かにいくらいい人が来ても、続かなければアウトですよね。スタッフィさんの派遣社員さんは皆、定着率が高い。そこはすごくポイントが大きいと思います。

濱田:どんな人でもちゃんと面と向かって話をしてあげること、コミュニケーションをとっていくこと。弊社の理念がそこを重視しているからでしょうか。理念に沿って非効率でありながらも一つ一つのことをきっちりこなしていった結果だと思います。

菅野様:濱田社長はよく弊社の派遣スタッフともコミュニケーションをとって、悩みを聞いてくださったり、フォローしていただいたりしていることが善循環につながっているのですね。

濱田:職場のトランスコスモス様の環境、および受け入れ態勢をしっかりしていただいているから、定着率が上がっていると思います。

菅野様:スタッフさんに冷たく接していたら、二度と紹介してもらえませんからね(笑)。

スピードか質、どちらを取りますか

菅野様:人材派遣のニーズは、じっくり人選して適材適所が理想だとは思いますが、実際には突発的に人員が必要になり、スピード対応をしてもらうことの方が多いように思います。

濱田:スピードや数の利便性にするのか、適性や専門性という人材のクオリティにするのか。どちらも大事で、どちらにも対応できることが人材派遣会社の存在意義だと思いますが、弊社としては人を大切に、スピード重視の単なるマッチングではなく、適性や専門性を重要視したいと考えています。

菅野様:本来はそうですよね。しかし、会社の利便性を考えた時、スピードか質かどちらを取りますかと言われれば、迷う部分ですね。

濱田:私はその解決法は、大切な部門から決めていくことだと考えています。誰でもできる部門ではなく、その人でなければできない、組織の一番マッチングが難しい部分をしっかり埋めていくという考えを持っていただく。それにしっかり対応できるよう弊社ではいい人材をそろえ、納得度の高い採用をしていただけるよう、人と質を重要視しているのです。

人を大切にする気持ちが組織を強くする

菅野様:弊社ではこれから毎月1日を入社日にしようと考えています。毎月仮に3人、決まった人材を提供できるスキームを構築中です。企業においては欲しいところに欲しい人数だけが一番効率はいいのですが、そこに集中して集めるための多大な労力と比較すれば、少し人数オーバーでもいいから毎月確実に採用しておくことで、自然退職などが発生したとしても、その1ヶ月の間でうまくやれると思います。

濱田:ご紹介する側の立場からすると、ありがたいですね。毎月1日に、いい人ならば入れますと言っていただければ、面接時にそれを伝えることができます。

菅野様:案件を見ながら紹介するよりは、半月待てばそこに入れるということが事前に分かりますからね。

濱田:ほとんどオーダーは頭の中に入っていて、面接しながらその方の希望とマッチングの優先順位を決めていますので、事前に提案していただけると、ポテンシャルは高いと思います。ただし絶対3人と言われると厳しい部分もありますが、いいサイクルを作り出すにはそういった歩み寄りが必要ですね。派遣先様がそういった考えを持たれるというのは、なかなかない事例ですよね。

菅野様:派遣は欠員の穴埋めと考えている企業がほとんどでしょうからね。

濱田:その発想をやめないと、希望する人材は集まらないのかもしれませんね。

菅野様:弊社はまず就業後の1ヶ月は社内トレーニングをして、翌月デビューできることを理想としています。毎月3人なら3人、1人なら1人でもいいので確実に入れますということならば、それが信頼に結びつき、何かあった時にお願いしやすくなるかなと思っています。

濱田:試験的でもいいので、ぜひ、トライしてみたいですね。

菅野様:ぜひお願いします。


対談を終えて一言

「地域」や「友人」などの「つながり」を大切にすることから始まる

面接を受ける人は「…面接が日本経済に直結する」なんて、重く考える必要はありません。 もっと地元と関わっていたいとか、今まで育ってきた場所で仲間と一緒に過ごしたいなど、身近な動機で働くことを決めてもいいのです。
ただし、「地元」や「仲間」など、「つながり」の大切さはきちんと意識しておいて欲しいと思います。その気持ちがあることで、よりポジティブに考え、積極的に行動できるようになると思うから。
人は、なぜ、働くのか。
もちろんお金を稼ぐためのも一つの側面ですが、そこに未来への夢があるから人は働くのであって、そのためには一人きりではできないことが必ずでてきます。地元や仲間、一緒に働く人とのつながりを持つことで、人生の一歩を踏み出したり、もう一度前を向いたりできる。
だから「地元意識」「仲間意識」など「つながり」の部分を大切にしてください。
スタッフィも人と人のつながりを大切に、あなたのお仕事探しを全力でサポートします。

トランスコスモス株式会社 宮崎ユニット長代理 菅野敏幸様

お客様企業のビジネスプロセスをコスト削減と売上拡大の両面から支援するサービスを、アジアを中心に世界31カ国・169の拠点で提供。また、世界規模でのEC市場の拡大にあわせ、お客様企業の優良な商品・サービスを世界48カ国の消費者にお届けするグローバルECワンストップサービスにも定評あり。
http://www.trans-cosmos.co.jp/
顧客からのお問い合わせや苦情対応、商品サービスの案内や営業セールス支援など、顧客サポート業務のアウトソーシングサービスを提供。